2010年4月29日

「非実在青少年規制条例」に関して

会員の木村さんからのメールを転載いたします。

このたびの東京都の「非実在青少年規制条例」に関しては、ご関心のある方が多くいらっしゃるであろう、と代表世話人四名で判断し、このお知らせをみなさまにご案内することにしました。
 日本YA作家クラブの活動方針のなかには「政治・宗教・信条には関わらない。」という文言があり、団体としての意見は、表明いたしません。

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 日本YA作家クラブ会員各位

 こんにちは。会員の木村航と申します。
 本日は会員の皆様にご協力をお願いしたいことがありまして、世話人諸氏のお許しを受け、皆様にメールを転送していただくことになりました。
 ご協力いただきたいことというのは、東京都議会で継続審議中の「非実在青少年規制条例」に関する企画本へのご参加です。
 皆様もご承知かと思いますが、同条例はマンガ、アニメ、小説、音声ドラマ等あらゆるメディアにおける表現を恣意的に規制することができる、きわめて悪質なものです。
 今年3月に行われた都議会での条例審議に際しては、日本ペンクラブを始めとする多くの実作者、文化人、研究者から条例反対の声が上がり、メディアでも大きく報じられました。その結果、条例は継続審議となり、6月に開かれる次回都議会に採決が持ち越されました。
 しかし反対の声が上がったのは、実は採決の寸前でした。条例案の提出時、あまりにも荒唐無稽な内容のため誰もが「ネタ」「笑い話」「通るわけがない」と無視したこの条例は、実際には「児童ポルノ禁止」という「反対しにくい大義名分」を盾にとって水面下で支持を広げ、成立寸前の状況でした。いわばこれは「子どもという何より大事なものを人質に取り、表現の自由を捨て去ることを要求するテロ行為的条例案」です。そんなものが、心ある人たちが声を上げなければ原案通りに採択されていたのです。
 しかもこれは単なる一自治体の条例にとどまらず、その背後には、政府による「第3次男女共同参画基本計画」に提示されたメディア規制方針が控えています。計画には女性を性的・暴力的対象とする表現を規制するとの方針が明示され、しかも実効性を最優先とする対策が取られるとのこと。要するに「ビシビシやるぜ」というわけです。
 これらの条例等は、一見「児童ポルノ禁止」「女性差別禁止」といった望ましい事柄を旗印としているようですが、実態は「規制側取り調べ担当者の恣意的な解釈が許される検閲法」としか言いようがありません。それどころか規制強化の根拠とされる性犯罪等の誘発阻止に関しては、むしろ逆効果と考えられる多くのデータが提示されています。
 条例の内容、および条例賛成・反対両派の主張、さらには主張の根拠となるデータについては下記のリンク先にまとめられていますのでご参照下さい。
http://glossary.xxxxxxxx.jp/
 また「第3次男女共同参画基本計画」におけるメディア規制に関しては下記リンク先の第8分野、第12分野をご覧下さい。
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kihon/sanjikeikaku/chukanseiri/index.html
 この計画の問題点についてまとめたブログがあります。こちらです。
http://d.hatena.ne.jp/sympathyser/20100417#p1
 結論として、これらの条例等の真の狙いは「反対しにくいモラルを人質に取った検閲システムの構築」および「警察OBの新たな天下り先としての取り締まり機関創設」とみられています。
 現在、条例案は6月からの都議会で可決成立する危険性が高まっています。児童ポルノ禁止という旗印のキャッチーさゆえ、条例に反対すれば児童ポルノに賛成だと見なされるのではないかとの危機感から、議員の中にも動揺と葛藤があるのです。
 で。
 こうした事態の推移、および条例等がはらむ問題を、条例反対の立場からまとめた企画本の出版準備が進んでおります。6月の次回都議会開催前に緊急出版される見通しです。
 企画の中心となっているのは作家・五代ゆうさん。本格ファンタジーの書き手として知られる女性作家さんです。
 この本では、条例反対の立場を表明した作家・マンガ家等実作者の方々のお名前(ひとことコメントつき)を掲載する予定です。
 この名簿に加わっていただける日本YA作家クラブ会員の皆様を募集します。署名運動とご理解いただければ間違いありません。……原稿料も出ません。すみません。
 ご参加いただける方は、5月7日までに下記専用ブログの募集記事に書き込むか、またはブログ上に記載されたメールアドレスまで連絡をお願いします。
http://hijistuzai.jugem.jp/
 ご参加いただける方々からは100文字程度のコメントを頂戴する場合がありますので、よろしくお含み置き下さい。
 なお、日本YA作家クラブは政治運動には関わらないとの基本方針であることは承知しておりますが、今回の条例等がはらむ問題の大きさ、および今後の表現活動全般に対する影響力の大きさから、あえて皆様にお知らせしお願いすることに致しました。さまざまなお考え、お立場があろうかと思いますが、ひとりでも多くの方からのご協力をお待ちしております。

 以上。

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